議員と行政の誤ったやり取り

新福祉会館に関する連合審査会での議員と行政間での質疑に関して議事録で確認しました。

質疑の要旨

(先の議会において「シャトー小金井の耐震診断の結果は個人情報であるため議会には公表できない。」と市長や当部局が表明していたにもかかわらず、五十嵐議員は事実の公表と行政の判断を求めた。

これに対して、行政担当部局は、市長を支える与党的立場の五十嵐議員の質問に対して行政の判断まで含んだ突っ込んだ答弁をしている。)

質問は27陳情17号を審議するためにおこなわれた。

陳情内容は、以下のとおりである。

「・・・新福祉会館計画の安全性の検証を求める陳情書」で、願意は以下の通りです。

(1)災害予防の観点から、稲葉市長が決定した新福祉会館立地の安全性を検証してください。

(2)議会として、小金井市防災会議条例第2条の規定に基づき、小金井市防災会議に対して、稲葉市長が決定した新福祉会館の立地の安全性を検証するように求めてください。
 
(3)前2項の検証によって安全性が確認されるまでの間、福祉会館設計事業負担金4882万2000円の予算は、予算から削除するか、又は、その執行を行わないことを議会の決議をもって市長に求めてください。

この陳情を審議するに当たり、今回の市長選に稲葉市長の後継者として立候補している五十嵐議員は、行政に対して以下の点について答弁を求めた。

  • 新福祉会館の立地の安全性と隣のマンションの危険性について確認をさせていただきたいと思います。
  • 例えば市民検討委員会をつくるにしても、前提としてそこが危険なのか、危険でないのかというところがやはり大きなポイントとなってくると思いますので、公的なところではありますが、できるだけはっきり言っていただけるとありがたい
  • 27陳情第17号の図にもありますし、この陳情の審査ということもありますから、この部分を使って質問させていただきたいと思います。
  • 耐震調査の結果、この図面にあるような倒壊・崩落の危険性が指摘されているというふうに文章で載っているわけですね。確認したいのは、倒壊・崩落の危険性が指摘という言い方が、行政としてそのように現実つかんでいたのかどうなのか、そういう認識なのかどうなのか、その辺の見解についてお聞きしておきたい。
  • こういう予測は出来るものなのかどうなのか、もし分かったら教えていただきたい。
  • 提出された耐震補強設計においてこの図面が示すような危険性を回避するような設計になっているのかどうなのか、要するにここがそういうふうな意味で危険だというふうに専門家が認識しているのかどうなのか、まずはこの点についてできるだけ答弁を頂きたいというふうに思います。

ここで五十嵐議員は、陳情者の「市の専門機関である防災会議で検討してください」と言う要望に対し、一級建築士でも答えることが出来ない専門性を要する判断まちづくり推進課に求めているのである。


まちづくり推進課の答弁は以下の通り。

  • 崩落の予測ができるのかというご質問につきましては、耐震診断結果等からでは具体的にどう倒壊するかは分からないという確認をしており、私どもでそのような危険性を確認しているということはない。
  • 耐震評定等も行っている構造の専門家等に聞いてみたところ、耐震診断結果等からでは具体的にどう倒壊するかは分からないと。
  • 耐震診断や耐震設計にも特にそのような具体的な危険性に言及する記載はなかった。
  • 構造の専門家によると、そもそも耐震診断は、どこの部分がどのように崩れるか等を判断するものではない。
  • 崩壊するイメージを作成するのであれば、それなりの専門的シミュレーションが必要であると。
  • そういったことから考えまして、私どもでそのような危険性を確認していない。
  • 耐震設計で倒壊・崩落が分かるのかどうかに対し、実績報告を確認しましたが、陳情に示されていた崩落する建物の一部分、そこに対して特別な補強をというものは認められていない。
  • 具体的にどのように倒壊するかにつきましては、私どもの方で答弁はできないが、陳情に示されている箇所が特に危険性が高いということまで、耐震補強設計の実績報告書等からは見て取ることができない。

五十嵐議員は、まちづくり推進課の答弁を以下のようにまとめている。

  • 耐震診断ではどこがどのように壊れるのかを予想することは難しい、
  • この図面に描いてあるような予想は調査から言い切れない。しかも、耐震設計が出てきているようで、その中からはここが特に壊れる、ここを補強しなければいけないということは、見て取れなかったというふうな答弁だった。
  • それで、そういうふうになると、陳情の審査としてもこの図面は何を根拠に描かれているのかというのが、私は非常に問題だなというふうに思わざるを得ないですね。例えばこれが一つの可能性だとしても、ほかの可能性が全然出てこないで、ここの部分だけ出てくるというのもまた問題かなというふうに思いますし、公のところで審査するには、かなり根拠が薄い図面だと言わざるを得ないなというふうに思っております。

以上が議会における非専門家によるやり取りである。

そもそも議論の対象となったイメージ図を正確に理解することは専門家でなくても出来ることですが、地震によって崩壊し新福祉会館に影響する箇所は斜線で示された箇所である。

この件について、すでに東京都は、隣のマンションは耐震診断において5階以上の部分において大きな地震に耐えることは出来ないと判断され、耐震補強工事あるいは建て替えを推奨している

一方、まちづくり推進課は、五十嵐議員の質問に答え、耐震診断からイメージ図のように崩壊するかは分からないと答弁している。

この答弁には二つの意味が含まれている。

誰がわからないのか。専門家か、まちづくり推進課か。専門家が正確に判断すれば、新福祉会館に影響する可能性を認めるであろう。耐震診断結果を見れば、影響がないと判断するのはリスクヘッジの点から説明出来ないからです。

行政、議員の非専門家が、科学技術を無視して、自己の利益に基づき政治的取引している事に気が付いていないようです。

五十嵐議員の質問に対する行政当局の答弁が新たな課題を引き起こしております。

  • 耐震診断結果は個人情報に当たるので議会には内容について公表することは無いと市長、当部局は表明していたが、五十嵐議員の質問に対し、耐震診断結果のみならず耐震補強工事の内容に関しても公表すると共に担当部局の判断も行っている。
  • その判断は非専門家による誤った判断で、科学技術的な批判に対して耐えられるものではない。
  • 五十嵐議員は上記二つの答弁を無批判に取り入れて判断し、陳情を無効としている。

以上の結果、次の点が明らかになりました。

  1. 知識、判断能力の無いままに行政運営がなされることの責任はすべて市長に責任がある。
  2. 五十嵐議員は議員としての資質を疑わせるような発言をし、行動をとっている。

このような取引が小金井市議会で行われていることを、市長選挙にあたり注意深く監視する必要があります。

議会、行政に強く期待すること:

議会などにおける集団的決定の「正当性」の条件は何か。それは、政策の「正当性」をめぐって対立する立場に対する共通の制約原理となる正義観念である。

哲学的な表現をすれば、自己と他者との普遍化不可能な差別の禁止がその核心です。

これは、自分の他者に対する行動や要求は、もし自分が他者だとしても拒絶できないような理由によって正当化可能なものでなければならないという「反転可能性」の要請を意味します。

議会などにおける「集団的決定」とは、政治的競争の勝者の決定を敗者に押し付けることです。しかし、勝者は何をしてもいい訳でではない。
もし自分が敗者だったとしても、その決定を尊重できるのか、という反転可能性試練に耐えうることが求められる。これが「正統性」の基礎です。

議会は、言論により決着させるための政治的決定システムの場であると考えております。

追記)
11月半ばには、五十嵐さんは既に議員を辞職いたしているので前議員とすべきでしょうが・・・・

Tag: 福祉会館問題

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